10年超の取引データを蓄積し営業と企画の連携をスムーズに

A.P.C. | A.P.C. JAPAN 株式会社

TERMINALを活用しているブランドやメーカーにお話を聞く 「CASE STUDIES」。今回は日本でも長年親しまれているフランス発のブランド、『A.P.C.(アー・ペー・セー)』を運営する、A.P.C. JAPAN株式会社の仕入販売課 課長 砂山哲さんと、同課の鈴木崇大さんにお話をうかがいます。実はTERMINALを導入いただいている会社の中でも、最も長く活用いただいているブランドのひとつでもある『A.P.C.』。リテールビジネスが中心である同ブランドが、長年TERMINALを使い続けていただいている理由をお聞きしました。

パリ発のアイデンティティと日本文化の融合

ジャン・トゥイトゥ氏が1987年にフランス・パリで設立した『A.P.C.』は、フレンチベーシックを軸に、ミリタリーやストリートの要素をシンプルに表現した世界観が早くから注目されました。1991年には日本に上陸し、一躍人気ブランドとして市場に浸透します。

同ブランドの魅力は、オーセンティックなデザインの中に反骨精神が垣間見えること、そして音楽を中心としたカルチャーを大切にしている点にあります。A.P.C. JAPAN 株式会社 仕入販売課 課長の砂山哲さんは、「『A.P.C.』が日本で早くから人気を博した理由には、日本人は服そのものへのこだわりだけでなく、ブランドの背景やカルチャーまでを大切にする文化があるからだと思います」と話します。

2027年に設立40周年を迎える『A.P.C.』は、古くからのファンに加え、近年は20代、30代の若い層が増加。健全な若返りを果たし、現在も安定したブランド像を築いています。

1992年に設立されたA.P.C. JAPAN 株式会社は、2010年から現在の株式会社ルックホールディングスのグループ会社として『A.P.C.』ブランドを運営しています。フランス国外では初の海外進出となった日本市場にしっかり根を張りながら事業を拡大し、国内の店舗数は現在34店舗に上ります。売上構成は直営やECによるリテールが中心で、「ホールセールは全体の1割程度」とのことです。一方で、比較的早い段階から国内の大手セレクトショップから個店まで卸先を厳選し、現在も厳選した取引先との取引が続いています。

商談の精度を高める分析レポートの活用

A.P.C. JAPAN 株式会社がTERMINALを導入したのは2015年。TERMINALのサービス開始が2014年であることを踏まえると、かなり早い段階から導入していたブランドのひとつになります。

「私が入社した2016年の時点ですでにTERMINALが導入されていましたので、それ以前のことは詳しく分からないのですが、当時は取引先アカウントがかなり増えていた一方で、オーダーシートを取引先にメールやファックスなどで送り、営業チームが手作業でエクセルに集計していたため、煩雑でミスも多かったそうです。ファックスの『送った / 届いていない』問題もあったと聞いていますので、早い段階でデジタルのシステムに着目したのだと思います」(砂山さん / 写真右)

日本に長く根付いたブランドでは、日本企画商品の割合が増えたり、ライセンス商品が増えたりするのが一般的です。一方で『A.P.C.』の展示会で紹介される商品のほとんどはフランス企画です。そのため、本国でオーダーされなかった商品は卸先に届かないという、シビアな現実があります。日本生産と比べると、 受注ミスは巻き返しが効かないという背景もあり、受注に対する慎重な姿勢がTERMINALの早期導入を後押ししたのかもしれません。

『A.P.C.』では卸先に向けた年6回の展示会を各2週間開催しています。卸先の受注分とリテール部門分を取りまとめ、本国フランスに送る形でシーズンオーダーが完了となります。

「TERMINALの『クイックレポート』機能は最初はなかったと思うのですが、展示会中に受注の状況を確認できて、それを他の取引先との商談にも反映できるので、かなり便利になりました。 どういうアイテムが受注につながって、どういうアイテムがそうでなかったのかを可視化できる点にも優れているので、分析にも役立っています。また、卸部門で受注の多かった商品は、直営の方でも人気商品になる傾向があるので、本国にリテール分をオーダーする際にも参考にしています」(砂山さん)

10年以上の運用で証明された信頼とグループ全体への展開

2003年に販売員として入社し、現在は営業部員として活躍する鈴木崇大さんは、『A.P.C.』を知り尽くした社員のひとりです。同ブランドにおいてTERMINALが契約年数を重ねるにつれ、その重要性は増していると話します。

「TERMINALには過去のデータが画像とともに残っているので、各取引先がその商品をいつオーダーいただいたかがすぐに分かりますし、『そのアイテムの売り上げはいかがでしたか?』と展示会の際に確認をし、お互い効率的に商談をすることができます。また、営業部員の担当エリアも数年に1回は変わるので、その得意先のオーダー傾向などを新しい担当者がすぐに把握できます。 長い時間軸の中で、担当者が変わっても引き継ぎが簡単にできることも、TERMINALを運用した利点 のひとつだと思います」(鈴木さん)

また、TERMINALのデータは商品企画チームとの打ち合わせでも活用できると鈴木さんは話します。

「それ以前は紙のカタログでしたが、 TERMINAL導入以降は過去の商品データが画像とともにアーカイブされているので、例えば過去の商品についても『こういうものをもう一回やってもいいのでは』と伝えられたり、商品開発のヒントにもなっている と思います」(鈴木さん)

現在までに10年以上TERMINALをご利用いただいているA.P.C. JAPAN 株式会社。その間にさまざまなアップデートを経て、TERMINALの利便性はさらに高まっていると、お二人は口を揃えます。「それでも、おそらく活用できていない機能は多い」と話しつつも、展示会のメールによる案内や「在庫販売」など、TERMINALのさまざまな機能を使っていただいています。

「フランス本国から、似たような海外サービスの打診を受けたこともあります。しかし、使い勝手やコスト面を考えると『日本はTERMINALで十分に足りているので大丈夫』と伝えています。また、ルックホールディングスの他ブランドからも使い勝手などを聞かれることがあり、その良さを伝えてきました。その結果、『Marimekko(マリメッコ)』、『Repetto(レペット)』、『SMYTHON(スマイソン)』はすでに導入し、それぞれ活用が進んでいるようです」(砂山さん)

コロナ禍を境に一気に導入が増えたアパレルのデジタルオーダーシステム。日本では2014年からサービスを展開しているTERMINALには、「長年使うことによって受注以外の活用の場が増えている」というお声が多く寄せられています。TERMINALでは、今後も長くお使いいただけるよう、システムの機能向上に努めてまいります。

A.P.C. | A.P.C. JAPAN 株式会社

1987年、フランス・パリでジャン・トゥイトゥ氏が『A.P.C.』を設立。「Atelier de Production et de Création(生産と創造の工房)」の略称である同ブランドは、フレンチベーシックをベースに、シンプルで高級感も兼ね備えたブランドとしてすぐに注目され、早期から日本でも展開がスタート。A.P.C. JAPAN 株式会社は1992年に設立され、2010年に株式会社ルックホールディングスのグループ会社として現在に至る。